赤ちゃんを育てる人へのアドバイス

浜松・平成258

(先生)それからこういう音について考えたときに、私たちが充分わかっておかなくてはいけないことは、子供、赤ちゃんを育てるときです。

まず赤ちゃんを産むときには、胎児はお腹の中にいるときには水の中にいますので、音はブヮーンという聞こえ方をします。しかし、生まれて外に出た瞬間、水の中から空気中に出てきますので、おおよそ赤ちゃんの音の聞こえ方はカンカンカンと響いて聞こえてくるそうです。ものすごく高い音で聞こえてくるそうですので、赤ちゃんが産まれたら、赤ちゃんが寝ている部屋では、例えばキンキンキン(湯飲みを棒で叩いたような音)という音やカンカンカンという音(ガラスのコップを棒で叩いたような音)は絶対立てないということを家族で話し合って、子供を寝かせておかないと、ものすごく音に敏感に反応します。そういう音を聞くとものすごくドキッとします。そうすると、楽天的な性格をもてなくなります。それから家族や夫婦が言い合いをしていると、その声もパーンと響いていきますので、生まれたばかりの赤ちゃんには非常によくないので、生まれるまでにいろいろ家族で話しあっておかないといけないことがいっぱいあります。

もう大きくなってしまって仕方がない場合には、次の孫を育てる場合には、赤ちゃんを育てる前に“どこへ寝かせるか”ということを話し合って、「その部屋だけは音を静かにさせる」、あるいは「話をするときにも荒い喋り方をしない」というような話し合いをして、子供を大事に育てるということをしてほしいと思います。

今の小児科は進んできておりますので、そういうこともわかってきておりますが、しかし、小児科自身も少なくなってきていますので、子供が集中して生まれてきます。そうすると育児方法を指導する医師の時間がなくなってきておりますので、そういう丁寧なアドバイスができないというのが現状ですので、わかった人がそういう話し方をよくしてあげて、子供を産む人には丁寧に、丁寧に教えてあげていただきたいと思います。

そうすると、ご主人が会社でおもしろくないことがあってプンプンして帰ってきたとき、奥さんが「そう言っちゃだめよ!」と言うと夫婦関係がまずくなるので、そういうときには奥さんが主人の不満を吸収できるくらいの心の弾力を持って接するということが一方では大事ですので、理屈どおりに進めることではなくて、どうしてその小さい子を大事に育てていくかということに親たちは叡智を働かせて育てていかなければならないということであります。

色に味が変わるというふうに言われております。

最初は前菜から始まって、段々とメインディシッユになって、最後はコーヒーのように苦くなって、赤ちゃんは口から乳房をパッと離すというふうに言われております。これが人工乳の場合最初から最後まで一定の味なので、喉のここまで飲んでしまうので、それで栄養過多になってブクブクに太ったりする子供ができてしまうということです。

だから、母乳がいかに大事かということであります。そうしたことを次の世代で子育てをする人達に、時間さえあれば母乳の大切さとか、それからお腹の中で十ヶ月間子供はどういうふうにして大きくなっていくのかということをいつも話してあげながら、日本の将来を担っていく人達がしっかり育てられていくように、アドバイスをしていただきたいと思います。

まあ、今月はこの『脳貧血其の他』という御論文を拝読したときに、以上のようなことを確認させていただきたいと思いますので、“そういう話があったなあ”と思いながら、繰り返し、繰り返しここを、拝読をしていただきたいと思います。