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人間の知らない山の奥に雲霧を破った桃の木は今日もなお昔のように、累累と無数の実をつけている。
勿論桃太郎を孕んでいた実だけはとうに谷川を流れ去ってしまった。
しかし未来の天才はまだそれらの実の中に何人とも知らず眠っている。
あの大きい八咫烏は今度はいつこの木の梢へもう一度姿を露(あら)わすであろう?
ああ、未来の天才はまだそれらの実の中に何人とも知らず眠っている。・・・・・・






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芥川龍之介の桃太郎はこれでおしまいです。

一般に伝えられている桃太郎とは全然違いますね。


物語は一つだけではないのです。いろんな見方、受け止め方、そして伝え方があるのですね。

この物語では鬼は平和を愛し絶海の孤島、極楽楽土に暮らしています。

節分での豆撒きを私達はしません。『鬼というのは偉い神様なのです。艮の金神国常立尊という神様です。』と御教えいただいているからですね。

物語では、豊富に蓄えた宝物を桃太郎は奪い行きます。
山や川や畑での仕事が嫌だったからです。
家来には、吉備団子を半分しか与えず飢えさせて獰猛にさせておとなしい鬼を凌辱し殺させます。
生き残った鬼や人質にした鬼の反逆に絶えず苦しめられることになります。

桃太郎のモチーフは、吉備津彦命だと言われています。

飛鳥時代、百済からの亡命者の中に、製鉄の技術を持った「温羅(うら)」の一族がいました。
当時の大和朝廷は、まだ青銅器しかありませんでした。温羅一族の定住地が、吉備(きび)の国(岡山県総社市)でした。
吉備の人々は、彼らを温かく迎え入れます。
温羅の一族は鉄器を造る技術を持っており、農機具などを造り、リーダー的存在だったからです。
しかし、大和朝廷にとっては自分たちがもっていない鉄器を持っている反抗的集団(鬼)とみなし、温羅一族を討伐する理由をでっち上げます。吉備の人々から「温羅一族からいじめられて困っているので成敗してほしい」という嘆願があったことにしたのです。
そして、大和朝廷は吉備津彦命(きびつひこのみこと)、おとぎ話で桃太郎と呼ばれる人物を討伐に向かわせます。
吉備津彦命は現在の吉備津神社のある場所を本陣とし、温羅一族は、鬼城山(鬼ノ城=きのじょう)の山城を本陣として戦いました。

激戦の末、血吸川において温羅は敗北してしまいます。
そこから、勝った吉備津彦命(桃太郎)は正義で、負けた温羅(鬼)は悪者というおとぎ話になっていくのですが、この戦いの背景を知ると、温羅は鬼だったのかという、吉備津彦命は良い人だったのかという疑問にぶつかってしまいます。

おとぎ話というのは勝った側の視点で伝承されることが多いですね。
伊勢津彦も神武天皇に国を譲っています。
元々地域を治めていた国津神が大和朝廷に侵略されて追い出されていったという歴史が日本にはあるのです。